【宗派解説】真言宗とは|開祖・教え・お経から、仏壇仏具までをプロの仏壇店が分かりやすく教えます!
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こんにちは! 仏壇・墓石・寺院仏具の素心(そしん)加古川店の粟生密有です。
いつも素心のブログを読んでくださり、ありがとうございます!
「うちは真言宗って聞いたけど、どんな特徴があるの?」
「真言宗の仏壇ってどんなの? 位牌は?」
素心のお客様とお話をしていますと、このように宗派に関する質問をよくいただきます。
普段なかなかお仏壇やお寺とご縁がない方は、真言宗がどんな宗派なのか、分からないですよね。
そこでこの記事を読んでくださる読者の方のために、わたくし粟生が、改めて真言宗について調べてきました。そこで学んだことをみなさまにもシェアできればと思います。
弘法大師空海さんのこと、真言宗の教えのこと、そして、お仏壇やお位牌のこと……。
仏壇・仏具店の営業マンの視点から、真言宗について分かりやすく解説いたします!
真言宗ってどんな宗派?
まずは真言宗に関する基本的な事柄についてお伝えします。
真言とは「仏さまの真実のことば」
そもそも「真言」って何? そう思いますよね。
これはサンスクリット語の「マントラ」を訳したもので、「嘘偽りのない、仏さまの真実のことば」という意味です。
「ことばそのものに神秘的な力が宿っている」と考えるのが、真言宗の大切にしているところなんですね。
開祖は日本仏教界のスター「弘法大師 空海」
真言宗を開いたのは、泣く子も黙る天才、弘法大師 空海さんです!
空海さんの印象を一言でいうと「超人的な天才で、行動力バツグンの情熱家」といったところでしょうか。
遣唐使として中国に渡った空海さんは、通常なら20年かかると言われている修行をたった2年で終えて、真言密教の真髄をすべて学んで日本に持ち帰られました。
空海さんはいまでも大人気で、少し前も俳優の染谷将太さん主演の映画『空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎』が上映されていましたね。
四国八十八カ所のお遍路は、空海さんの足跡をたどる巡礼旅で、始まりから約1200年経ったいまでも大人気です。最近は海外からのお遍路さんも多いと聞きます。
また、真言宗の総本山である和歌山県・高野山の奥之院では、空海さんは今も瞑想を続けて私たちを見守っていると信じられていて、空海さんのお堂には、毎日2回、朝ごはんとお昼ごはんが届けられています。

弘法大師空海 (出典:ColBase 国立博物館所蔵品統合検索システム)
真言宗の教え
真言宗の教えのことを「真言密教」と呼んだりします。「密教」とは「ことばにすることのできない真理」といった意味だそうです。
「ことばにできない教え」を拙い私のことばでみなさんにお届けできるかどうか少し不安ですが、私なりにお伝えできることを綴っていきますね。
真言宗の教えで欠かせないのが、次の3つのキーワード「大日如来」「即身成仏」「三密加持」です。
宇宙そのものが仏さま「大日如来」
真言宗では、宇宙のすべてが大日如来さまの現れだと考えます。そして、この大日如来さまが、真言宗のご本尊です。
太陽も、草木も、風も、あなたも、私も、この世界の、この宇宙すべてが大日如来さまの現れなんだそうです。
私たちひとりひとりの中にも仏さまがいて、どこにいても誰もが仏さまに守られている。
そう考えると、なんだか元気が湧いてくる気がしますね。

大日如来(出典:Wikimedia Commons)
今すぐ誰もが仏になれる「即身成仏」
あなたも私も大日如来。これってつまるところ、誰もが仏さまに成れるということを意味します。
そう。それこそを真言宗では「即身成仏」として説いているんです。
とはいっても、実際に「あなたも仏に成れます!」と言われたところで、私のような煩悩まみれの人間は「イヤイヤ、ありえないでしょ」と、恐縮するのが正直なところじゃないでしょうか。
だからこそ、真言宗では、いますぐ誰もが仏に成るための具体的なステップとして「三密加持」という修行法があるのだそうです。
身体と言葉と心を仏にする「三密加持」
大日如来と一体となるために真言宗では、身体と、言葉と、精神の3つを調えることを重んじており、これを「三密加持」と呼びます。「加持」とは仏と人がひとつになることを意味します。
■ 「身」身体を仏にする
手に「印」を結んで、指先で仏さまを表現します。
■ 「口」言葉で真言を唱える
「仏さまの真実のことば」である真言をお唱えします。
■ 「意」精神を統一する
静かに瞑想し、心の深い部分で大日如来を思い描きます。
手に印を結んで、口で真言を唱えて、そして心を統一させたら仏さまに成れるんだそうです。
私たち凡人にはとってもむずかしいですが、真言宗のお坊さんたちは、こうした修行を通じて、仏さまの世界を目指しています。
真言宗の教えについては、素心のWebマガジン『こころね』の中で、須磨寺の小池陽人さんが分かりやすく解説してくれています。オススメです!
『お坊さんに訊く真言宗【教え編】~煩悩を、生きる力に変える真言密教~ 須磨寺・小池陽人さん』はこちらから!

真言宗の特徴に「護摩祈祷」があります。人々の願いごと(=煩悩)を書いた護摩木と呼ばれる木の板を燃料に、不動明王を礼拝するための炎を燃え上がらせ、諸願成就を祈願するのです。(画像協力:大本山 須磨寺)
真言宗でよく読まれるお経
真言宗でなじみ深いお経といえば、こちらです。
理趣経
真言宗で最も大切にされているお経のひとつで、煩悩を否定せず、それすらも悟りの力に変えられると説かれています。
私たち一般人が読むことはあまりありませんが、葬儀、法事、お盆、お彼岸など、あらゆる場面で読まれるお経です。
般若心経
日本で一番有名なお経ですよね。約262文字の短いお経ですが、仏教の「空」の思想が凝縮されています。どの宗派でも大切にされているお経で、真言宗でも日常的に読まれます。
ご真言
仏教にはたくさんの仏さまがいますが、それぞれの「ご真言」をお唱えするのが真言宗スタイル。その一部をご紹介いたします。
■ 大日如来
「おん あびら うん けん おん ばざら だと ばん」
■ 阿弥陀如来
「おん あみりた ていぜい から うん」
■ 釈迦如来
「のうまく さんまんだ ぼだなん ばく」
不慣れな人だと、ひとつのご真言を唱えるのに時間をかけてたどたどしくなってしまいますが、プロのお坊さんたちのご真言はものすごく早くて正確で、ビックリしてしまうほどです。

真言宗のお経本。素心各店でもお買い求めいただけます。
真言宗の仏壇・仏具
さて、ここからは、仏壇・仏具の実践編です!
ご本尊は「大日如来」
真言宗では、お仏壇の中央に、宇宙の中心である大日如来さまをお祀りします。
忍者の印のような、左手の人差し指を右手が包み込む「智拳印(ちけんいん)」というポーズが特徴です。
両脇には「弘法大師」と「不動明王」
ご本尊の右側には弘法大師(空海)さん、左側には力強く守ってくれる不動明王をお祀りするのが一般的です。

真言宗のご本尊。中央が大日如来。右が弘法大師空海。左が不動明王
真言宗の位牌・戒名
真言宗のお位牌には、戒名の上に大日如来さまを表す梵字の「ア」を刻みます。大日如来さまが故人さまを守って下さっているように見えますね。
真言宗の数珠(振分念珠)
真言宗のお数珠は、108個の玉がつながった長いタイプのものです。
「二連念珠」や「振分念珠」とも呼ばれ、「八宗用」として、どの宗派でもお使いいただけるのも特徴です。
使い方としては、両手の中指に引っかけて合掌をします。
数珠は「珠を数える」と書きますが、その名の通り、珠をひとつひとつ指で繰って、真言の回数を数えます。
また、礼拝する時には数珠同士をこすり合わせ、その時に鳴る「しゃらしゃら」という音が煩悩を払うという意味もあるそうですよ。

お線香や焼香の数
真言宗では、お線香は3本、お焼香は3回が基本です。
これには、三密(身・口・意)、三宝(仏・法・僧)、三尊(大日・不動・空海)、三世(過去世・現世・来世)にお香をお供えするという意味があるのだそうです。
真言宗の仏具や仏事についても、素心のWebマガジン『こころね』の中で、須磨寺の小池陽人さんが分かりやすく解説してくれています。どうぞこちらもご覧ください!
『お坊さんに訊く真言宗【仏事・仏具編】~お仏壇のある暮らしで、よき習慣作りを~ 須磨寺・小池陽人さん』はこちらから!

須磨寺の小池陽人さんは、素心のWebメディア『こころね』にも多数ご登場。真言宗の教えを身近に感じてもらうきっかけになれば嬉しいです。
真言宗に関するよくある質問 Q&A
最後に、真言宗に関するよくある質問にお答えします。
Q 真言宗の本山寺院はどこ?
真言宗の本山としては、高野山の金剛峰寺や、京都の東寺(教王護国寺)などが思い出されますが、実は真言宗は長い歴史の中で諸派に分かれており、現在は16派、18の本山があるとされています。
「真言宗十八本山」は以下の通りです。
●善通寺
善通寺派:香川県善通寺市
●須磨寺
須磨寺派:神戸市須磨区
●清澄寺(清荒神)
真言三宝宗:兵庫県宝塚市
●中山寺
中山寺派:兵庫県宝塚市
●大覚寺
大覚寺派:京都市右京区
●仁和寺
御室派:京都市右京区
●智積院
智山派:京都市東山区
●泉涌寺
泉涌寺派:京都市東山区
●教王護国寺(東寺)
東寺真言宗:京都市南区
●勧修寺
山階派:京都市山科区
●随心院
善通寺派:京都市山科区
●醍醐寺
醍醐派:京都市伏見区
●宝山寺(生駒山)
真言律宗:奈良県生駒市
●朝護孫子寺(信貴山)
信貴山真言宗:奈良県平群町
●西大寺
真言律宗:奈良県奈良市
●長谷寺
豊山派:奈良県桜井市
●根来寺
新義真言宗:和歌山県岩出市
●金剛峯寺(高野山)
高野山真言宗:和歌山県高野町
Q 「南無大師遍照金剛」ってどういう意味?
弘法大師空海を讃えることばです。真言宗では「御宝号」とも呼ばれ、それぞれ次のような意味があります。
「南無」帰依します。お慕い申します。
「大師」弘法大師(空海)のこと。
「遍照金剛」若き空海が師匠から授けられた名前のことです。
「ダイヤモンド(金剛)」と「太陽(遍照)」という2つの強力なイメージが合わさることで、お大師さまのパワーがより鮮明に伝わります。
これには「絶対に壊れることのない固い真理(金剛)が、遍く人々を明るく照らす(遍照)」という意味が込められており、そんなお大師さまに対して「すべてをお任せしますので、どうぞお守りください」という祈りのことばとなっているのです。
Q 真言宗専用のお仏壇ってあるの?
特にはありません。お客様がお気に入りのお仏壇を選んでいただき、その中で真言宗でお祀りするご本尊や、必要な仏具を並べます。
素心では、真言宗の方向けのお仏壇やお仏具を丁寧にご案内していますので、安心してご相談下さいね。
おわりに
真言宗のお話、いかがでしたでしょうか?
空海さんの言葉に、「同行二人」というものがあります。
「お遍路中も、日常生活の中でも、お大師さまがいつも隣にいて一緒に歩いてくださっている」という心強いメッセージです。
私たち素心も、お客様にとっての「同行二人」のような存在でありたいと思っています。
お仏壇やお墓、仏事や供養のことで分からないことがあれば、「素心さんに相談しよう」と安心していただける仏壇店を目指して、これからもがんばってまいります。
加古川・高砂・姫路をはじめとする兵庫県にお住いの方で、真言宗について分からないことがある方は、どうぞお気軽に素心にお越しください。
また、「兵庫県まで足を運べないぞ」という方は、引き続き素心がお届けする記事コンテンツにご期待くださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
また次回のブログでお会いしましょう。
素心加古川店の粟生でした!


執筆:玉川将人(素心メディア事業部)
