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2026.07.22

仏教を全身で感じられる1日を。みほとけによる初プロデュースイベントを潜入レポート!

仏教を全身で感じられる1日を。みほとけによる初プロデュースイベントを潜入レポート!

お笑い芸人で
お寺仏像研究家の
みほとけさん。

令和8年7月2日
京都くろ谷・金戒光明寺にて
自身初のプロデュースイベントとなる
『THE 極楽 DAY』を開催しました。

昼の部は
LINEヤフーの会長を退任したばかりの
川邊健太郎さんを囲んで
推し活と宗教の交差点について
あれやこれやとクロストーク。

夜の部は
漫才・怪談・法話・バンドと
これまでにない角度から
仏教を味わうエンタメフェス。

インテリとエンタメ。
みほとけさんの強みが
ギュッと凝縮されたイベントに
素心こころね編集部も潜入取材。

仏教を全身で感じてほしい。
お寺をもっと身近に感じてほしい。

みほとけさんの想いが結実した
現地の熱量そのままに
当日の模様をレポートします。

仏教を思考と五感で味わう日『THE 極楽 DAY』

「どうやったら、仏像の魅力がみんなに伝わるだろうか」

自問自答の末にたどり着いた答えは、地下アイドルからお笑い芸人への転身でした。「みほ」が「みほとけ」になった瞬間です。

みうらじゅんさんにインスパイアされ、深夜ラジオの芸人たちに魂を揺さぶられ、「だったら私もお笑いで伝えてみよう」と、SNSで仏像になりきり、お笑いのステージに挑んだのが9年前。これが、みほとけスタイルのスタート地点となります。

仏さまの魅力が伝わるのなら手段なんて選ばない。そのピュアな執念こそが、彼女の推しポイントじゃないでしょうか。

「令和の聖」のごとく、時にSNSで、時にリアルイベントで、日本中の老若男女と仏教をつないできたこれまでのみほとけさんの集大成。それこそが、『THE 極楽 DAY』なのです。

※聖(ひじり)とは、中世期に民衆の中に分け入って仏教を広める活動をした人のこと。

みほとけさん。開演前から準備のために堂内を走り回る中で撮影に応じてくれた。

舞台となったのは、京都・くろ谷の金戒光明寺。

さかのぼること約850年、浄土宗の開祖・法然上人がはじめて庵を結び、仏教を民衆のものへと開放した、日本仏教史のイノベーションが起きた聖地です。

そしていま、現代のインフルエンサーであるみほとけさんが、エンタメを携えて仏教の敷居をさらに跨ぎやすくしようとしている。歴史のシンクロにリスペクトを抱かずにはいられません。

浄土宗大本山・金戒光明寺 御影堂が夜の部の会場となった。

地下アイドルやお笑い芸人というエンタメ畑で生きてきたみほとけさんは、一方で慶應義塾大学卒業という学歴を持ち、第一線の僧侶やIT界のトップランナーと互角に渡り合える知識と実力を兼ね備えています。

このイベントは、そんなみほとけさんの強みがフルに発揮された立体的な構成になっていました。

昼はトークセッションで「仏教を深く考える」。
夜はエンタメで「仏教を全身で感じる」。

夜から朝にかけて降り続けた雨も、開演のころには嘘のようにすっかり晴れ上がり、堂内は梅雨の湿度と聴衆のワクワクで熱く蒸し返していたのです。

宗教は推し活だ。川邊健太郎と考える「推しと祈り」

昼の部は、LINEヤフーの会長を退任したばかりの川邊健太郎さん、浄土宗の次世代を担う2人の僧侶、池口龍法さんと河村英昌さんを迎えてのトークセッション。

日本のIT界を30年にわたり牽引し、熱狂的な「ハロヲタ」としても知られる川邊さん。独自の経営者視点とあふれんばかりのハロプロ愛を武器に、思いの丈を自由自在に喋り尽くす90分です。

昼の部のトークセッションは金戒光明寺の「大方丈」で行われた。

まずはじめに、来場者全員で阿弥陀如来さまへ合掌礼拝。そして、「南無阿弥陀仏」のお念仏を十遍お唱えしました。

「ただのイベント来場ではなく、お寺にお参りに来ているというマインドセットになってほしい」
「お念仏のすばらしさを体験してほしい」

みほとけさんのそんな想いをかたちにしたのです。

お念仏を唱える来場者たち

事前の打ち合わせがほぼない中で、川邊さんのことばを真っ向から受け止める池口さんと河村さん。タジタジになりながらの応戦で、さぞ大変だったと思います。仏教界では個性的で先進的な活動で知られるふたりが普通に見えるほど、川邊さんのことばは型破りでありながら、的を射ていたのです。

みほとけさん自身が地下アイドル出身ということもあり、セッションのテーマは「推しと祈り」。

「人間の宗教活動は、そもそも推し活なのではないか」という仮説のもとに、議論は白熱します。

「アイドルを含むあらゆる製品やサービスも、大昔からある宗教行為を現代風に焼き直して商業化しているだけではないか」と語る川邊さんの視点は、まさに慧眼そのもの。

川邊健太郎さん。LINEヤフー株式会社前会長(2026年6月に退任)

それに対して、「南無阿弥陀仏のお念仏は、推しの名前をくり返し叫ぶ『コール』と同じだ」と指摘する池口さんや、「推し活と信仰の違いはその対象を『自分の生き方にまで落とし込んでいるか』という点にある」と応える河村さんによって、「推しと祈り」「アイドルと仏教」の交差点が浮き彫りになっていきます。

池口龍法さん(浄土宗・龍岸寺 住職)。ドローン仏や仏教アイドルプロデュースなどで知られる。

河村英昌さん(浄土宗・大光寺 副住職)。会社員のかたわら、「株式会社神社仏閣オンライン」を起業し、三足の草鞋で活動している。

会場には、国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」の参加者たち(起業家や投資家)が多数詰めかけていました。

普段はお寺や仏教とは縁遠い世界で、ビジネスの成長や社会課題の解決に奔走する彼らの目に、歴史あるお堂でのこの濃密なクロストークはどのように映ったのでしょうか。

トークセッションのよりくわしい内容は近日公開予定です。お楽しみに!

お寺は楽しいぞ。みほとけが贈る仏教エンタメフェス

ガラリと雰囲気を変えた夜の部。金戒光明寺の御影堂は、文字通り「仏教を五感で体感する」ための壮大なエンターテインメント空間となりました。

夜の部も、まずは全員での合掌礼拝と十遍のお念仏から。仏さまへの讃嘆法要とエンターテインメントが融合したひと時の始まりとなった。

西日の差し込む堂内に、ベースラインから始まるイントロが響いた瞬間、堂内は一気に色鮮やかなダンスフロアへと変貌します。

エレクトロニックな電子音と読経のリズムに合わせて身体を揺らす心地よさ。難解だと思っていた仏教の世界が、だれもが笑顔になれるポップカルチャーとして五感に飛び込んでくる、最高にエキサイティングなオープニングでした。

オープニングは河村英昌さん(右)が手掛けた「般若心経EDM」。

振り付けを考えたのは、なんとレジェンド振付師の香瑠鼓(かおるこ)さん。

本編は、僧侶と葬儀屋による仏教漫才、お堂の雰囲気を活かしたゾクりとする怪談、落語家の話芸を思わせる人柄あふれる仏教法話、そして最後は仏教バンドの音楽ライブへとつながっていきます。

ドドんさんによる漫才。僧侶と葬儀屋による漫才は、お寺の本堂でこそそのおもしろさが倍増する。

満茶乃さんによる怪談。堂内の灯りが落とされ、静まり返った本堂で聴衆は思わず固唾をのむ。

小谷剛璋さんによる法話。「発心」が私たちの人生を動かすのだと、おもしろおかしく説いた。

THE 南無ズによるライブ。最高潮の盛り上がりを見せて、長い1日を締めくくった。(画像提供:KENJI YAMADAさん)

漫才に笑い、怪談に息をのみ、法話に深くうなずき、そしてクライマックスのライブでは、コールアンド”テラ”ポンスからの「卍ポーズ」。

お寺の味わい方といえば、静かなお堂への拝観、仏像への礼拝、お坊さんのありがたい法話を正座して聴く、あるいは坐禅や写経といった瞑想体験などが一般的です。

ところが、みほとけさんのアプローチは真逆でした。エンタメにこだわり、楽しいを入り口にして、感情に直接訴えかけるこわいもの知らずのプログラムです。

法然上人の御影に見守られる中でくり広げられたその光景は、まさに五感のすべてが仏教の熱量で満たされる、奇跡的なひとときでした。

笑い、うなずき、心おどらせるその熱気の中に、お堂全体が仏さまに守られているような不思議な安心感を覚えたのは、私だけではなかったはずです。

たったひとつの熱源から始まる仏縁

「アイドルが好きで自らアイドルになり、仏像が好きで仏像になりきった」と語ってくれたみほとけさん。

好きなものを推す彼女もまた、推される存在であるということが、改めて実感できる1日でした。

イベントを終えて、昼夜あわせて約400名の人が彼女に会いに足を運び、さらには数多くの企業からの協賛、手弁当で動くボランティアやサポーターの力が結集したのだと教えてくれたみほとけさん。

「みほとけちゃんに会いに行きたい」
「みほとけちゃんのためなら、一肌脱ぐか」
「彼女がこれだけがんばっているんだから、何か力になりたい」

まわりの人たちにそのように思わせる人間味こそが、一見無謀とも思える大規模な手作りイベントを大成功に導いた最大の原動力だったように思います。

巷では「お寺離れ」や「宗教の衰退」などと言われて久しいですが、あの日の金戒光明寺には、まちがいなく他では見られない圧倒的な「熱」がありました。

「仏教が好き」「お寺が好き」から始まったたったひとりの試みが熱源となり、やがてみんなを巻き込み、お寺を震わせていく。

みほとけさんがこれから赴く場所のひとつひとつが、現代人の心にさらに火を灯し、人々と仏さまをつなぐ”聖地”となっていくのでしょう。

「みほとけちゃんは、令和の聖だな」

改めて、そう確信させてくれる、熱い京都の1日でした。


▶こころねによる、みほとけさんのロングインタビュー
▶みほとけさん 公式X(旧Twitte)はこちらから
▶みほとけさん 公式Instagramはこちらから

撮影・構成・文 玉川将人
撮影 粟生密有

 

 

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