下書き

お仏壇の配置を徹底解説|向き・置き場所・マンションや和室のない家はどうする?

|

仏壇墓石の素心(そしん)加古川店の営業担当・粟生です。

日々、お客様のご自宅へお仏壇の納品に伺っていると、一番多くいただくのが「お仏壇って、どこに、どっちを向けて置くのが正解なの?」というご質問です。

「うちはマンションだから和室がない」
「仏壇を置いちゃダメな場所、向きってあるの?」

このように悩まれる方も多いのですが、近年の住宅事情に合わせた、もっとも手を合わせやすい場所でお祀りするのが、一番オススメです。

今回は、数々の仏壇を設置してきた私から、失敗しないお仏壇の配置についてお話させていただきます。

仏壇を置くべき部屋

お仏壇を置く場所に「絶対」という決まりはありませんが、一般的には以下のようなお部屋が選ばれます。

●仏間
お仏壇を置くために作られた専用のスペース。最も理想的です。

●和室
落ち着いて手を合わせやすく、座ってお参りするスタイルに適しています。

●リビング
家族が集まる場所。「いつもそばに感じたい」という方に、今一番人気の場所です。

●寝室
起きてすぐ、そして寝る前に。一番身近に故人さまを感じられる静かな空間です。

仏壇の向き・置き場所の基本

そもそも、仏壇はどこに、どの方角に配置されてきたのでしょうか。古くから伝わる基本的な考え方をご紹介いたします。

一番おすすめは「仏間」

お仏壇の置き場所として、最も理想的なのは、やはり「仏間」です。

実を言うと、昔の人は「お仏壇をどこに置こうか」「どの方角に向ければいいのか」と悩む必要がありませんでした。

なぜなら、かつての日本家屋は、家を建てる段階で、お仏壇を置く場所としての仏間があらかじめ設計されていたからです。

お庭や縁側に面した和室の一角に、しっくりとお仏壇が収まっている光景に見覚えがあったり、懐かしく感じたりする方も多いのではないでしょうか。

多くの場合、お庭や仏間は南向き、あるいは東向きに配置されていました。

つまり、家を建てる時点で大工さんや設計士さんが、日当たりや縁起の良さを考慮して、一番いい場所を最初から用意してくれていたのです。

伝統的な日本家屋の間取りでは、庭や縁側に面して、二間続きの仏間が配置されていました。

現代の私たちが「どこに置けばいいの?」と迷ってしまうのは、こうした専用の場所がない間取りが増えたから。ですから、悩むのは当然のことなんですよ。

その上で、仏間をどこに、どの向きに置くべきかの「3つの説」をご紹介いたしますね。

南面北座説|北に向かって拝む

古くからの習わしで最も一般的なのが、「お仏壇を南に向けて置き、北に向かって拝む」配置です。

これは中国の「天子南面(てんしなんめん)」という慣習に由来しています。

中国では古来から、帝王(天子)を不動の星・北極星と見立て、高貴な人は南を向いて座り、家臣は北を向いて拝むという決まりがありました。

この考え方を由来として、お仏壇でも、手を合わすための最良の向きとされてきました。

また、お仏壇を長持ちさせるという意味においても、南向きは日当たりが良く、風通しも確保しやすいというメリットがあります。

湿気を嫌う木製のお仏壇にとって、家の中でも環境のよい場所に置くという、昔ながらの生活の知恵が詰まった置き方と言えますね。

西方浄土説|西に向かって拝む

こちらは、私たちが手を合わせる方向に重点を置いた考え方です。「お仏壇を東に向けて置き、西に向かって拝む」配置です。

仏教では、阿弥陀如来さまがおられる極楽浄土は、遥か西の彼方(西方浄土)にあるとされています。

つまり、お仏壇に向かって手を合わせることが、そのまま「浄土に向かって祈る」ことになるというわけです。

本山説|本山寺院に向かって拝む

家の宗派の「本山寺院がある方角に向けて拝む」という考え方です。

たとえば、私の住む兵庫県加古川市で真言宗のおうちの場合、本山である和歌山県・高野山の方角「東南東」を仰ぎ見るように配置する、といった具合です。

お仏壇に手を合わせることで、その先にある本山寺院、ひいては仏さまの教えの根源とつながろうとする置き方と言えますね。

お住まいの地域によって方角が変わるため、家を建てる際やリフォームの際に、こだわりを持ってこの向きを選ばれる方もいらっしゃいます。

マンションや和室のない家はどうする?

前章では、仏壇の向きや置き場所の基本についてご紹介しましたが、実際にはこれらの条件を満たせるおうちばかりではありませんよね。

最近では、以下のような住環境の方も多くいらっしゃいます。

●仏間や和室のない家
●方角を気にしない間取り
●マンションやアパートなどの集合住宅

このような場合、仏壇を置く場所や向きをどうしらたよいのでしょうか。

私が常日頃、現場でアドバイスしている「現代の置き場所」の考え方をご紹介します。

リビングに置く

最も選ばれているのがリビングです。

家族が集まり、会話が弾む場所に置くことで、故人さまも寂しい思いをせずに済みます。

最近では、家具とも調和するモダンデザインのお仏壇も増えていますので、サイドボードの上などに置いてもインテリアに自然となじみますよ。

寝室に置く

実際の現場ではあまり見られませんが、寝室も選択肢のひとつに挙げられます。

「来客の目が気になる」「静かな場所でゆっくりと対話したい」という方におすすめです。

朝起きてすぐに挨拶をし、夜寝る前に一日の報告をする。一番のプライベート空間だからこそ、形式にとらわれず、心おきなく故人さまと向き合えます。

納まりのよい場所・拝みやすい場所

いろいろな説や向きのお話をしましたが、私が現場で一番大切にしているのは「拝みやすい場所かどうか」です。

例えば、お仏壇の高さに合わせた椅子が置けるか、正座したときに窮屈ではないか。無理をして生活動線の邪魔になる場所に置いてしまうと、次第にお参りが負担になってしまいます。

向きや方角よりもまずは何よりも、「ここだったら、毎日無理なく、自然に手を合わせられるだろうか」という、納まりのよさを第一に考えてみてください。

法事の場面を想定しておく

法事を想定しておくというのは、意外に多い見落としポイントです。

普段のお参りはご家族だけでも、法事のときはお坊さまやご親戚が来られますよね。

「お坊さまが座るスペースはある?」
「親戚が座れるだけの場所を確保できる?」
「フローリングの床だと、みんな座りにくくない?」

そこまで想定して場所を決めるておけば、後々「しまった!」と後悔せずに済みます。

もし、法事をするだけの広さがないのであれば、あらかじめお寺さまに「うちは狭いので、本堂で法事をしたいです」と相談しておくのも一つの手ですよ。

マンションのリビングで法事をする際、参列者が無理なく座れるスペースがあるかどうかも大切な基準です。

仏壇の配置・向き・置き方に関する質問 Q&A

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。お仏壇の配置について、ある程度理解してもらえたらうれしいです。

最後に、日々お仏壇を納品させていただく中で、お客様からよくいただく疑問にお答えします。

Q:仏壇を置いてはダメな場所・向きはある?

絶対にダメな場所はありませんが、いくつか「避けたほうがよい環境」はあります。

「直射日光が当たる場所」や「エアコンの風が直接当たる場所」は避けましょう。乾燥や日焼けによってひび割れや色あせが起きてしまうことがあるからです。

また、しきたりの面でよく言われるのが、「神棚とお仏壇を向かい合わせにしない」ということです。

向かい合わせにしてしまったら、一方にお参りするときに、もう一方に背を向けてしまうことになるため、避けておくべきとされています。

どうしても仏壇と神棚が同じ部屋になる場合は、少し位置をずらして配置しましょう。

Q:テレビの横においても問題ない?

基本的には問題ありませんが、少しだけ工夫をしてあげてください。

最近はリビングにお仏壇を置く方が多いので、テレビの横に設置するケースもよくあります。仏さまも家族の賑やかな声が聞こえる場所は嬉しいはずですよ。

ただ、あまりにテレビと近すぎると、音がうるさくてお参りに集中できなかったり、テレビの熱がお仏壇に伝わったりすることもあります。

もしも、スペースに余裕があれば、少し距離を空けるか、間に観葉植物を置くなどして、視覚的に「ここからは祈りの場所」という区切りを作ってあげると、より落ち着いた空間になります。

【結論】もっとも納まりのいい場所にお仏壇を置こう

お仏壇の場所や向きについていろいろとお話ししてきましたが、一番大切なのは「そこに置いて、あなたが心地よく手を合わせられるか」という点です。

どんなに縁起の良い方角であっても、お参りしにくい場所では意味がありませんし、近年の住宅事情の中で、さまざまな条件を満たそうとしても、無理があります。

あなたの暮らしの中に故人さまが自然に溶け込める場所を見つけてあげてください。

「このスペースに置けるかな?」
「この向きで失礼にならないかな?」

このように、お仏壇の配置で迷われたときは、いつでも私たち素心にご相談ください。私がご自宅まで伺って、一緒に最適な場所を考えさせていただきます。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

出演:粟生密有(素心加古川店)
執筆:玉川将人(素心メディア事業部)