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2022.02.27

エンディングノートは書かずに作る!藤井奈緒さんの目からウロコの幸せ終活塾(前編)

エンディングノートは書かずに作る!藤井奈緒さんの目からウロコの幸せ終活塾(前編)

 

終活の入り口としておすすめの
エンディングノート。

買ったはいいけれど何を書くべきか
手つかずになっていませんか?

そこで『こころね』では、
上級終活カウンセラーの藤井奈緒さんに
誰でも簡単に作れる
エンディングノートのコツについて
たっぷりお話を伺ってきました。

目からウロコのお言葉ばかり。
終活迷子のあなた、必見です!

エンディングノートは必要 でも書く人はわずか5%

ー はじめて藤井さんのセミナーに参加した時に、「ああ、この方は終活講師の最高峰だ!」と興奮したのを昨日のことのように覚えています。

ありがとうございます。恐縮です(笑)

― 本当に、分かりやすくて、面白くて、そして終活やエンディングノートの本質を突かれているお話でした。今日こうして『こころね』で取り上げさせていただくことができて、本当に光栄です。

いえいえ、こちらこそよろしくお願いいたします。

玉川が感銘を受けた藤井さんのエンディングノートセミナー(2019年5月:大阪市應典院にて)

ー 終活をしたいと思っている人はたくさんいるのに、エンディングノートを作成したという人はとっても少ないのですよね?

はい。ある調査によりますと、全体の7割の人が終活をしたいと考えているのに対し、エンディングノートを実際に書いたという人はわずか5.4%だと言われています。

ー 70%に対してわずか5%。ものすごい開きですね。そのデータだけを見ると、エンディングノートって終活に必要なのかなとすら思ってしまいます。

エンディングノートそのものには十分に意義があって、私自身も強く推します。でも、いま世間に出回っているエンディングノートは明らかに書きづらいものが多い。「これじゃあ書く気なくなっちゃうよね」って思ってしまいます。

― そもそも論として、エンディングノートって、どうして必要なのでしょうか?

自身にまつわるさまざまな情報を書いておくことで、いざという時に周りの人が困らずに済みます。

ー 通帳や保険証がどこに保管されているかとか…。

そうですね。そうした「情報」に加えて、大切な人に伝えたい「想い」を書き残しておくこともできます。さらには、書くことを通じて、これまでの自分はどうだったか、これからの自分はどうしたいかと、自身を振り返るきっかけにもなります。

エンディングノートが書けない理由と構造的な欠点

ー 「情報」と「想い」を伝えて、自分自身の振り返りもできる。いいことづくめのエンディングノートですが、ではなぜ多くの方は書けないでいるのでしょうか。

そこには次のような理由があると思います。

エンディングノートが書けない理由。藤井さんがセミナーで使用するスライド画像より。

ー なるほど。こうして見ると些細なところでつまずいてしまうのですね。書くべきことが多くてすぐ飽きてしまう。がんばって書こうにも書く欄が足りないなどなど。たしかにこれだと意欲がそがれてしまいますね。

はい。死のことがテーマになるから、考えること自体がイヤになるって人も少なくないですね。

ー ペンが進まない人は、別のエンディングノートを買った方がいいのでしょうか?

「どのエンディングノートがお薦めですか?」とよく尋ねられるのですが、書く方の“好み”で決めれば良いとお答えしています。自分自身のこと、預貯金や資産、家族や親戚や友人などの人間関係、医療や介護、葬儀やお墓、相続や遺言など、書くべき基本項目は、どのエンディングノートでもだいたい同じ内容ですし、あとは、大きさとかデザインとか、薄いものか分厚いものかなど、ご自身が気に入ったノートを使われるのがいちばん良いと思います。

ー はい。

エンディングノートの問題は、項目によって必要度や緊急度が異なるのに、それらを均等に一冊の本にまとめようとしているところです。日本人はまじめだから、はじめのページから順に全部埋めなきゃと思ってしまう。これで飽きてしまうんですね。

ー ある人は人間関係について記しておきたい。でもある人はお墓について記しておきたい。ノートに求めるものって、千差万別ですものね。

親が救急車で運ばれているときに病院の既往歴を知りたくてエンディングノートを開いたら「大切な息子へ」なんて想いが綴られている。それはそれで大事だけど、読んでもらいたいタイミングがずれてしまうこともありがちです。

ー でもそういう状況って、目に浮かびそうですね。

無理に一冊にまとめようとすることで、うまく書けなくて、伝えるべきことが伝えられなくなってしまう。エンディングノートの構造的な欠点だと思います。

藤井流エンディングノート作成術「書かずに作れ!」

ー では、その欠点を補うために、どうすればいいのでしょうか?

「エンディングノートバインダー」を作りましょうと、推奨しています。

ー はじめてその話を聞いた時に、目からウロコが落ちました。自分だけのエンディングバインダー。詳しく話してもらえますか?

エンディングノートに直接書き込まずに、必要なページをコピーして、バインダーで保管するんです。そうすることで、必要な項目だけを書けばいいですし、年に1回くらい中身を整理したら、いつでも最新の情報や想いを記録できます。

ー なるほどです。

保険証も診察券もわざわざ書き写さなくてもいい。コピーを入れておけばいいんです。

― うーん。本当にすごい。いろいろな課題が一気に解決される。

手書きの方が想いが伝わるという考え方もありますが、面倒であればパソコンでも構わない。コピーでも、なんでもいいんです。大事なのは書くことじゃなくて、伝えたいことが伝わること。エンディングノートを作るのに挫折して大切なことを伝えられずじまいになるくらいなら、手を抜きつつ正確に情報を伝えられる方が100倍も1000倍も大切で、意味があります。

実際にエンディングノートバインダーを作ってみた!

これらの藤井さんのお話を聞いて、こころね玉川もエンディングノートバインダーを作ってみました。購入したのはこちら!

エンディングノートの中でも評価の高い、コクヨ「もしもの時に役立つノート」。オレンジ色を基調としたポップなデザインと無駄のない構成が人気のベストセラー。数々のエンディングノートの中でもおススメの一冊です。

しかし実際に書いてみると、次のようなことに気づきました。

●パソコン打ちに馴れているから手書きがしんどい

●まだまだ元気だから終末期をイメージしづらい

●何から書けばいいか分からない

●書きたくても欄が足りない

●意外と疲れる、飽きる

巻末のメモページとの行き来が「しんどいなぁ~」と思ってしまう。

消しゴムや修正テープによる書き直しは、あとから見づらくなりそう…

そこで玉川は、明るい黄緑色のバインダーを一冊購入。コクヨさんのエンディングノートの中で必要な箇所をじゃんじゃんコピーしていきました。

玉川のエンディングバインダー

一応個人情報を書いたものの「今更こんなことを書いてもな~」と思いました。人によって記録すべき情報は異なるのだということ。

藤井さんが指摘していた「欄が足りない」問題。2006年までしか書けなかった。

かかりつけ医は診察券のコピーが圧倒的に早くてわかりやすい!その他、身分証明書、通帳、クレジットカード、証書など、コピーのファイリングは本当におすすめです。

バインダーを作ることで、ただでさえクオリティの高いコクヨさんのエンディングノートをさらに有効に活用できました。

また、自身のエンディングに向き合うことで、これまでの歩みや未来について考える機会となりましたし、「この情報は家族に伝えられているぞ」「この想いは伝えられていないかも」と、どこまでのことを家族や大切な人と共有できているかを、整理、点検できたことも大きな収穫です。

エンディングノートは市販のものがたくさん出ていますし、最近では無料配布やダウンロードもできます。まずはこれらを入手して、気軽にあなただけのエンディングノートバインダーを作ってみてはいかがでしょうか。これまでの人生、これからの人生、そして大切な人とのつながりを考え直す良い機会になりますよ。

しかし、藤井さんはこう続けます。

「玉川さん。本当はね、エンディングノートなんて、ない方がいいんですよ」

さらに目からウロコの藤井さんの終活塾。後編をお楽しみに!

※後編『理想はエンディングノートがいらない関係』はこちらからお進みください。


藤井奈緒氏 プロフィール

一般社団法人 「親なきあと」相談室 関西ネットワーク 代表理事。Officeニコ 終活のよろず相談所 代表。終活カウンセラー1級(R)、相続診断士(R)、家族信託コーディネーター(R)、その他、福祉関連公的資格多数。

一般社団法人 親なきあと 相談室 関西ネットワーク


取材・構成・撮影・文 玉川将人

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