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2021.11.04

本物そっくりのローソクとお線香。「故人の好物シリーズ」の魅力(前編)

本物そっくりのローソクとお線香。「故人の好物シリーズ」の魅力(前編)

「えっ!これがローソクなの」
「わっ!本当にミルキーの香りがする」

どんなお客様でも
まず驚き、次に笑い
そして故人様の思い出が蘇る。
それが「故人の好物シリーズ」です。

ビールやお酒や枝豆など、
目で見て楽しんで、ほっこり笑みが浮かぶ
「好物キャンドル」

サクマドロップスやミルキーなど
箱から広がる香りに驚かされる
「コラボ・好物線香」

お仏壇やお墓にお供えする時に
ふっと蘇る故人様の元気だった時のお姿。

亡き人と私たちをつないでくれる
カメヤマのロングセラー商品
「故人の好物シリーズ」の魅力を
前後編にわたってお届けします。

見て驚き、香りに驚き。ネットでも話題の故人の好物シリーズ

素心に足を運んで下さった多くのお客様が足を止める商品棚。そこには本物のお供え物そっくりのローソクが並びます。

ビール、日本酒、焼酎、コーヒー、緑茶、クリームソーダ、レモンサワーといった飲み物。大福、お団子、おはぎといった和菓子。さらにはお寿司、枝豆、唐揚げとお酒のアテまで。これらすべてがローソクなんです。

お客様の中には、一目見ただけではこれらがローソクだと分からないという方も少なくありません。「よーく見て下さい。芯が出ているでしょ。ここに火を灯すんです」と説明すると、「わー。ホンマや~」と驚きの声。

「わっ! すごい!」
「上手に作ってあるんやねえ」

こうした声とともに、生前の故人様を思い出しながら、好物だったキャンドルを選ばれます。

さて、本物そっくりのキャンドルに驚くお客様に、私たちスタッフはこのような言葉を続けます。

「こちらの箱を開けて、鼻を近づけてみてください」

手に取るのはさまざまなお菓子の箱。サクマドロップス、不二家のペコちゃん、ボンタンアメなど、見慣れたパッケージがずらり。箱を開けてみると中身はお線香。そして鼻を近づけると…、

「うわー、ミルキーやん!」
「すごい! 本物そっくり!」

驚きはそのまま喜びへと変わり「これ、お供えしてあげよう!」とお買い求めいただくケースがとても多いのです。まさに私たち仏壇仏具店としてはありがたい限り。カメヤマさんのアイデアと技術力の高さに頭が下がります。

「好きだったよね」と、思わず生前の故人様の面影がよみがえります。

 

故人の好物シリーズ 知られざるヒストリー

カメヤマ株式会社は、1927(昭和2)年創業の、国内で圧倒的なシェアを誇るまさに老舗の大手ローソクメーカーです。

創業10年後の1937(昭和12)年にはすでに輸出向けの美術ローソクの研究に着手。このころからさまざまな形のローソクの製造に取り組んでいたそうです。

故人の好物シリーズの販売を始めたのが2009(平成21)年。美術ローソクのうちのひとつにミニジョッキ型のビールキャンドルがありました。取引先の仏壇店の店主の「これをお供え物にしたら面白そう」というちょっとした思い付きから、同シリーズのプロジェクトが始まったそうです。

シリーズ第1号となった生ビールのミニジョッキ。長らく愛される故人の好物シリーズの顔です。

そして好物キャンドルを一躍有名にしたのが、翌年に発売されたワンカップ大関とのコラボ商品。本物と見間違うほどのパッケージの効果もあって大当たり。その後も「卓越した蝋細工の技術✕他商品とのコラボ」というかけ算でさまざまなシリーズ展開を仕掛け、2015(平成27)年にはグッドデザイン賞をも受賞します。

同商品のカップは大関株式会社から直接仕入れているというこだわりよう。

もともとローソクメーカーだったカメヤマは、1987年より線香の製造販売もスタート。この技術はそのまま故人の好物シリーズへも横展開し、2010年から「好物・コラボ線香」の販売を始めます。

森永の「ミルクキャラメル」、不二家の「ミルキー」や「ネクター」など、国民的お菓子やドリンクとのコラボで世間を驚かせていく中、「サクマドロップス」がTwitterでバスり、ネットで話題となりました。以降、故人の好物シリーズはキャンドルと線香のそれぞれが広く知られるようになり、好物キャンドルは累計約430万個、好物・コラボ線香は累計約100万個を突破しました(2021年10月現在)。

 

サクマドロップスと映画『火垂るの墓』を絡めたTweetがバズる。

故人の好物シリーズはインターネットでも話題です。

Twitterを覗いてみると、「こんなのがあるなんて知らなかった」「かわいい~」「再現力に驚き」「また進化してる( ゚Д゚)」などの賛辞がたくさん見られます。

そもそも仏壇屋さんに並ぶ商品がTwitterで発信されることが珍しく、故人の好物シリーズがいかに魅力的かが分かります。

 

売れ筋ランキングトップ3

これだけ幅広いラインナップだと、必ずどれかは故人様の好物が見つかるものです。キャンドルは53種、お線香は13種も販売されています(2021年10月22日現在)。あれも欲しい、これも欲しいとなってしまいそうなほどのアイテムたち。その中でも素心でよく売れている商品を、キャンドル、線香ともにトップ3をご紹介します。

好物キャンドル編

3位 お寿司

日本人の国民食と言えばお寿司! サーモンといくら巻きがなんとも美味しそうです。しかもガリ付き、さらにはシャリの中にワサビが偲ばせてあるというこだわり。

 

2位 枝豆

おつまみメニューの一番人気といえばなんといっても枝豆。お酒のお供に人気です。枝豆のキャンドルはひとつひとつに芯があり、それぞれに火を灯すことができます。

1位 ビール

第1位はやっぱりビールです。誰もが飲む国民的なアルコール。火を灯して少しずつ量が減っていく様子を見ていると、まるで本当に故人様が飲んでくれているように思えます。お仏壇にお供えして、こちらも缶ビールを「プシュッ!」と開けて、乾杯!

コラボ・好物線香編

3位 サクマドロップス

サクマ製菓の定番商品のサクマドロップス。ドロップ缶に似せたデザイン、しかも4種のフルーツ(いちご、りんご、オレンジ、メロン)にあわせてお線香も4種類あり、徹底したリアルへのこだわりが見られます。

2位 ミルキー

小さい時に誰もが食べたことのある不二家のミルキー。そして変わらないペコちゃんの顔。ミルキーはなんと70年以上も前から販売されているそうです。お線香を灯しながら思わず「ミルキーはママの味♪」と歌ってしまいそう。

 

1位 いちごみるく

サクマ製菓が誇る50年以上続くロングセラーキャンディ。箱を開けるとふわっと甘い香りが広がり、その再現性の高さに思わず「うわ、本物そっくりやん!」と驚きの声が上がります。

 

どうぞあなたも素心に足を運んでいただいて、故人の好物シリーズを実際に目で見て、手に取って、鼻で香りを吸い込んで、故人様の在りし日の姿を思い出してみてください。

こんなにも私たちを楽しませてくれる故人の好物シリーズ。お仏壇やお墓の前にお供えすると、思わず心がほっこりします。アイデアと、遊び心と、蝋細工の高い技術がなければなしえなかったロングセラー商品。一体、どのようにして作られているのでしょうか?

次回は、カメヤマの社員の方にお集まりいただいて行った座談会の模様をお送りします。後編をお楽しみに。

 

後編「開発スタッフに訊くロングセラー誕生秘話!」はこちらから!

 


▶故人の好物シリーズは素心各店または素心楽天店へ。


構成・文 玉川将人

 

 

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