お盆飾りの「精霊棚」の飾り方や片付け方を分かりやすく解説
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こんにちは。素心加古川店の林です。
お盆、特に四十九日を終えて初めて迎える「初盆(新盆)」の準備を進める中で、「精霊棚(しょうりょうだな)」という言葉を耳にしたことはありませんか?
「名前は聞いたことがあるけれど、普段のお仏壇と何が違うの?」
「いつからどこに飾ればいいの?」
「使い終わったあとはどうやって片付けたらいいのか分からない…」
いざ準備をしようと思うと、分からないことだらけで不安になってしまいますよね。
この記事では、お盆飾りの中心となる「精霊棚」について、意味や具体的な飾り方、そして片付け方(処分の仕方)まで、どこよりも分かりやすく解説します。
この記事を読めば、初盆の祭壇に関する疑問やモヤモヤがすっきり解消して、ご先祖さまを安心してお迎えする準備が整いますよ。ぜひ最後まで参考にしてみてくださいね。
※この記事は、素心加古川店・高砂店・姫路店をはじめとする兵庫県播磨地域でみられる一般的なしきたりをベースに作られています。お盆のしきたりは地域によってかなりの差が出ますので、お住まいの地域のお寺さまや仏壇店にお訊ねすることをおすすめいたします。
目次
精霊棚とは
まずは「精霊棚ってそもそも何?」という基本的なところからお話ししていきますね。

精霊棚は、お盆専用の祭壇
精霊棚(しょうりょうだな・せいれいだな)とは、お盆の期間中だけ特別に作られる、ご先祖さまや故人さまをお迎えするための祭壇のことです。「盆棚」と呼ばれることもあります。
お盆にはたくさんのご先祖さまが一度に帰ってこられるため、普段のお仏壇だけではお供え物を置くスペースが足りなくなってしまいます。
そこで、お仏壇とは別に専用の棚を設け、お供え物をたくさん並べて賑やかにおもてなしをしよう、というのが精霊棚の始まりです。
播磨地域は初盆のおうちだけ
精霊棚の風習は全国的に見られますが、細かく見てみるとその方法は実にさまざま。地域によって飾り方が大きく異なるのです。たとえば…
① 毎年飾り、お盆の期間中は仏壇の中の位牌をすべて精霊棚に並べる
② 初盆の年だけ飾って、新仏さまの位牌だけを精霊棚に安置する
③ そもそも、精霊棚を飾らない
私たち素心のある兵庫県播磨地域では、②の「初盆の年だけお飾り」します。初盆を迎える方のお位牌を精霊棚でお祀りし、2年目以降は特に精霊棚を飾らずに、お仏壇でご供養するという形ですね。
ただ、播磨地域でも③の「そもそも精霊棚を飾らない」地域もあるようです。
たとえば、加古川市や高砂市では精霊棚を飾りますが、姫路市では精霊棚の風習はあまり見られません。
飾る期間は8月7日~15日まで
播磨地域は初盆のおうちだけ精霊棚を飾ることが多いようです。
そのため、精霊棚を飾る期間も8月7日から8月15日となります。
中には、8月7日よりも手前に、お坊さんが棚経参りにやってくるというおうちもあるでしょう。
その場合は、お坊さんが来られるのに合わせて精霊棚を設置して、8月15日までお飾りをされたらいいと思います。
精霊棚で使用した仏具は処分が基本
初盆で使用した白木の祭壇や、お盆専用にお供えした仏具などは、お盆が終わったら使い回しをせず、処分するのが基本です。
「一度使っただけで捨ててしまうの?」と思われるかもしれませんが、これには「故人さまがはじめて帰ってこられるためだけに用意した、清浄なお道具」という意味があるからです。
片付け方(処分方法)の詳細は、記事の後半で詳しくお伝えしますね。
精霊棚の飾り方
それでは、具体的に精霊棚に何をどのように飾るのか、その手順とアイテムについて解説していきます。

白木祭壇
播磨地域では、お仏壇の横並びにする形で、2段または3段の白木祭壇を組み立てて設置します。棚の上には夏らしく真菰(まこも)を敷きます。
なお、真菰は古来より神が宿る草と考えられていて、お釈迦さまも病人を真菰の上に寝かせて治療したという言い伝えがあるように、仏教ともなじみの深いものなのです。
精霊堂
故人さまのお位牌をご安置するためのお堂です。お盆の期間中、故人さまにいていただく大切な場所です。精霊棚の上段に置き、極楽鳥に守っていただきます。

白無地の仏具
初盆では白無地の仏具(花立・火立・香炉)を並べます。

お葬式から四十九日まで使用する白無地の「葬具」を、初盆でも使用します。
白木の御膳(霊供膳)
また、お供え物も白木の御膳に並べます。お盆の期間中、毎日私たちと同じようにお食事(精進料理)をお作りして、精霊棚にお供えします。

霊供膳も、四十九日まで白無地の器や白木の御膳を使用し、初盆でも使います。
白紋天・盆提灯
初盆専用の白無地の提灯「白紋天」を飾ります。その周囲には、毎年使える絵柄入りの提灯をお飾りして、お部屋全体をはなやかにします。

初盆のおうちが用意する「白紋天」。縁側、玄関、仏間などに吊るして、故人さまをお迎えします。

コンパクトサイズの「置き型 白紋天」。提灯を吊るす場所がないという方に選ばれています。
牛馬(なすときゅうり)
お盆飾りといえば、誰もが思い浮かべるのが、きゅうりで作った「馬」となすで作った「牛」ですよね。
きゅうりの馬は 「あの世から、少しでも早くわが家へ帰ってこられますように」と、足の速い馬に見立てています。
なすの牛は「お盆が終わったら、お土産をたくさん背中に載せて、のんびり安全にあの世へ帰ってくださいね」と、足の遅い牛に見立てています。
最近では、本物の野菜で作るほか、わらで作られたもの、ちりめん細工やガラス細工のものも出ていて、傷まない牛馬飾りを精霊棚に並べる方も増えているんですよ。

ちりめん製の牛馬

クリスタル製牛馬
餓鬼飯
精霊棚の少し離れた場所や足元に「餓鬼飯」と呼ばれるお供え物を用意します。
これは、わが家のご先祖さまだけでなく、無縁仏(お参りしてくれる人がいない霊)や、お腹をすかせた「餓鬼」たちにもお供えを分け与え、みんなで功徳を分け合おうという、仏教の「施餓鬼」の精神に基づいた風習です。
ちなみに「施餓鬼」とは、餓鬼たちにお供えを施すという意味です。
昔の人は、蓮池からハスの葉を持ち帰って来て、その上に細かく刻んだ夏野菜(なすやきゅうり)と洗い米を混ぜたものをお供えします。
素心でも紙製の「蓮皿」を販売しており、たくさんの方にお買い求めいただいています。

蓮皿。この上に洗い米や夏野菜を乗せて、施餓鬼のお供えをします。
精霊棚と仏壇のちがい
精霊棚と仏壇の役割の違いは、お盆の迎え方の地域差によってさまざまですが、播磨地域の場合…
お仏壇は「仏さまやご先祖さまがおられる場所」
精霊棚は「初盆を迎える故人さまが帰ってくる特設ステージ」
…といった感じでしょうか。
そのため、お盆期間中はお仏壇と精霊棚のそれぞれにお供えをして、お参りをしてください。
ここで、一番大切なポイントが「お位牌の移動」です。
普段はお仏壇の中に安置されている故人さまの「お位牌」を、お盆の期間中はお仏壇から精霊棚の一番上に飾る精霊堂の中にお納めします。
四十九日を済ませて本位牌になっている場合もあれば、初盆まで白木位牌を使用する場合もあるので、このあたりは菩提寺さまに確認して、準備しておきましょう。
精霊棚に関するよくある質問 Q&A
ここからは、素心の店頭でお客様からよくいただく「精霊棚のちょっとした疑問」に、Q&A形式でお答えしていきますね。
Q:精霊棚はいつからいつまで飾るの?
素心加古川店・高砂店・姫路店のある兵庫県播磨地域は、8月7日から初盆が始まりますので、8月7日に飾りつけをして、夕方に迎え火を焚いて故人さまをお迎えします。
そして、8月15日に故人さまをお送りしたあとに、精霊棚を片付けます。
Q:精霊棚を飾らない地域はどうしたらいいの?
お盆のしきたりは地域によってさまざまで、初盆であっても精霊棚を組まない地域もあります。
その場合は、普段のお仏壇の中でお盆飾りをしたり、あるいは手前に小さな机を用意するなどしましょう。
そこに「牛馬」「盆提灯」「お盆ならではのお供え物」をきれいに並べて、いつもより少しにぎやかにお迎えして差し上げれば十分ですよ。
Q:精霊棚を飾る場所がない。どうしたらいい?
マンションなどの場合、そもそも精霊棚を飾る場所がないという方も少なくありません。
その場合は、無理をすることなく、限られたスペースの中でお盆飾りをしましょう。
・お位牌の横に牛馬を飾る
・少しだけ華やかなお花や豪華な食べ物をお供えする
・ミニ提灯で明かりを灯す
これらをするだけでも充分にお盆のお飾りになります。
お坊さんが棚経参りに来られるのであれば、事前にご相談しておけばなおのこと安心ですね。

ミニ仏壇のお盆飾りの一例
Q:浄土真宗は精霊棚はいらない?
はい、原則として浄土真宗では精霊棚は飾りません。
浄土真宗では、亡くなられた方は迷うことなくお浄土へ行って仏さまになり、いつも私たちを見守ってくださっていると考えるからです。
Q:精霊棚はどうやって処分したらいいの?
塩でお清めして一般ゴミに出すか、素心各店にご相談下さい。
また、白木祭壇や白無地の仏具を葬儀社から提供されている場合は、葬儀社に相談してみましょう。
お困りの場合は、ご遠慮なく素心の各店舗(加古川店・高砂店・姫路店)へお持ち込みいただければ、有料にてお引き取りをさせていただきます。
おわりに
今回は、初盆のお飾りである「精霊棚」の意味や飾り方について解説してきました。
初めて迎える初盆の準備は、慣れないお道具も多くて戸惑うかもしれません。地域によってしきたりも細かく変わってくるので、分からないことがあった時こそ、素心にご相談下さいね。
みなさまの初盆が、心あたたまる、かけがえのない時間になりますように。
素心加古川店の林でした。


出演:林利律子(素心加古川店)
執筆:玉川将人(素心メディア事業部)
