こころね

140年の本堂を蘇らせた新技術「エア鉋」。お寺の負担を減らし住職の想いを支える

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数百年続くお寺の本堂。
毎日のように
日や雨や風にさらされると
経年劣化は避けられません。

本堂維持は
すべてのお寺の住職にとって
避けられないミッション。

そんな住職の想いを支え
経済的負担の軽減を可能にしたのが
最新の木造物再生技術「エアかんな

実際に施工を取り入れた
お寺の住職にお話を伺いました。

 

せっかくのお参り。ケガをされては申し訳が立たない

播磨の小京都・たつの市に浄栄寺はあります。

明治元年に火災によって本堂を焼失し、明治6年の再建以来、地域の拠り所としてずっと人々の暮らしを見守り続けてきました。140年もの長い歳月、日を浴び、雨に打たれ、風にさらされてきた本堂。経年劣化は避けようがありません。

小宅鳳淳おやけほうじゅん住職が最も懸念していたのが広縁。靴を脱いで、階段を上り、本堂に入るまでの間に足の裏に突き刺さるトゲが不安だったと話します。

「建物の老朽化は仕方ないものの、せっかくお寺にお参り下さった人が万が一ケガをしてしまうことだけはあってはならない」との想いから、エアかんなの施工を取り入れました。

「エア鉋」施工前後の浄栄寺の広縁

― エアかんなに興味を持たれたきっかけを教えていただけますか?

お参りの人たちが広縁のトゲで足の裏をケガをしないかずっと心配してました。実際に私も何度かトゲが刺さったことがあります。痛いし、なかなか抜けない。せっかく仏さまに会いにお参りに来て下さったというのに、ケガをされては申し訳が立ちません。なんとかしなくてはと思っている時に素心の小寺さんが「新技術がある」と持ちかけて下さったのです。

― それ以前にも何らかの対策を取られていたのですか?

大工さんにはお願いをしていたのですが、なんせ床板をすべて外さなければならないと言われ、費用も結構かかる。どうしようかなあと悩んでいたんです。そこで担当の小寺さんが、最新の技術で板の表面だけをきれいに磨ける、しかも作業がたったの3日間で済むと言う。もうびっくりしちゃって、そのまま「お願いしよう!」ということになりました。

― おそらく誰も見たことのない技術だったと思います。住職やご門徒さん含め、みなさんどのような感想を持たれましたか?

はじめ、大きなスクリーンを持ち込んで説明会を開いて下さった。「こんなもんできれいになるんかな?」など、ご門徒さんの中からもいろんな声が挙がりましたが、説明は細かく、とにかく分かりやすい。その上予算内で収まりそうだったので、思いきって小寺さんに「お願いします」と。結果、満足しています。

― 具体的にどのような点に満足されましたか?

ザラザラしていた板の表面がつるつるになりました。ケガの心配もありませんし、お掃除の負担も楽になった。前まではご門徒さんにもご協力いただきながら、ザラザラの床を雑巾懸けしていたのですが、いまではモップ掛けで済みます。

 

お寺が燃えても、仏さまへの報恩感謝は変わらない

― 住職にとって、お寺の本堂とはどんな場所ですか?

人間誰もが心に闇を持っています。この闇はきっと死ぬまで消えてなくなりません。だからこそお寺にお参りしてもらい、仏さまからの光で闇を照らしてほしいと思います。

― 昔はこの広縁で昼寝をしている人もいたとか。

そうですね。放課後に子どもたちが境内で遊んでいたし、法要でも走り回る子どもたちばかり。子どもたちの声でお説教の声が聞こえないなんてこともありました(笑)誰もが気軽に足を運べる、心のよりどころであり続けたいと思います。

― いまも昔も、お寺は地域コミュニティの中心です。

そうです。浄栄寺の本堂は明治初年の火災で焼失しています。江戸から明治へと時代が激変する時期の火災ですから、とりわけご門徒や地域の人たちに大きな衝撃を与えたことと思われます。みんながお寺の消失を悲しんだ。でもそのお寺を再建させようと、人々は団結しました。自分たちのご先祖様がこの村でつないできたお寺の大切さ、そしてお寺が燃えても仏さまへの報恩感謝は変わらないということに気づいたのだと思います。

― ご先祖様あっての私たちですね。

そうです。そしてご先祖様と私たちをつないでいるのが仏さまです。明治の再建には私たちのご先祖様の並々ならぬ仏さまへの想いが込められています。だからこそ住職として、この本堂が140年経った今もここにこうしてあることのありがたさを大事にしていきたいと思います。

「エア鉋」施工前後の浄栄寺の広縁

 

― 素心の「エアかんな」が少しでもそのお役に立てれば幸いです。

素心さん、そして小寺さんには本当に感謝しています。これからもどうぞ浄栄寺のよきパートナーとしてお力添えいただきたいです。よろしくお願いいたします。


▶素心の「エアかんな」特設ページはこちらから

 


構成・撮影・文 玉川将人