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今年もやって来る!宗派を超えた法話共演『H1法話グランプリ2025』実行委員長が語る法話の味わい方

今年も、法話の季節がやってきます。
2025年12月6日(土)
なら100年会館にて
『H1法話グランプリ2025』
が開催されます。
『エピソードZERO』
として産声を上げた
2019年の須磨寺大会から
早6年。
大会は回を重ねるごとに大きくなり
今大会ではイオンシネマとのコラボ上映も。
ここまで手作りで、手探りで
お坊さんたちが力を合わせて
作り上げてきたH1。
本大会への意気込みと
法話の味わい方を
2025年大会実行委員長の
池尾宥亮さんに
お話しいただきました。
ゼロイチという産みの苦しみ
こんにちは。『H1法話グランプリ2025』の実行委員長を務めます、池尾と申します。
『H1法話グランプリ』は、法話を通じて「もう一度会いたいお坊さん」ナンバーワンを選ぶ仏教イベントです。2019年の須磨寺開催を皮切りに、2021年と2023年は、なら100年会館に舞台を移し、たくさんの方に足を運んで頂きました。
2019年の『ZERO』のことは、いまでもはっきり覚えています。ゼロからイチを作るわけですから、みんな手探り。てんやわんやしながら、なんとか本番当日を迎えました。
わたしが『ZERO』からH1に関わるようになったのは、発起人の小池陽人さん(真言宗・須磨寺)の誘いがあったからです。小池さんとは、清荒神清澄寺での修行仲間で、そのご縁がいまに通じています。
これまでに前例のないイベントを始めようとしているわけですから、小池さんには相当のプレッシャーがのしかかっていたと思います。
「仏教をエンタメにするのか」
「法話に優劣をつけるな」
…などの、アンチコメントもたくさん寄せられていたはずです。
わたしは裏方としてステージを支えていたのですが、果たして、このイベントにどれだけの人が来てくれるのか、来場者の方々は喜んで下さるのか、そつなく進行させられるだろうかと、ハラハラドキドキしながら本番を迎えました。
ふたを開けてみると、会場は大いに盛り上がり、そして登壇者のお坊さんたちにはあたたかいまなざしが注がれているのが印象的でした。

2019年大会「エピソード・ZERO」の様子。本大会を見据えた前哨戦として取り組んだが、予想以上の反響を呼んだ。(画像提供:H1法話グランプリ実行委員会)

2021年大会。新たな舞台「なら100年会館」で、コロナ禍による入場制限にもかかわらず、チケットは完売。多くの人が会場まで駆け付けた。

2023年大会。コロナ禍を経て会場は満堂に。「なら100年会館」に集まった約1,500人が、熱気に包まれる中、法話に耳を傾けた。
実は、若手僧侶が法話を話す機会って、あまりないんです。
お寺での法話会はそれなりに実績のあるお坊さんたちが中心になりますし、若手向けの研修会では、必ず先輩僧侶の厳しい目線が注がれます。
そんな中、「若手僧侶の研鑽の場」として開催されたH1では、来場者のみなさまがあたたかいんです。拙い法話、拙い運営への親心と言いますか、応援してくださっているあたたかさを感じて、それがとてもありがたかったですね。
あれから6年経ち、お坊さんたちによる手作りのイベントであることに変わりはありません。精一杯頑張るものの、至らない点も多々あるかと思います。どうぞ、あたたかい目で見守ってもらえるとうれしいです。
法話の魅力をたとえるなら「おでん」?
法話の魅力ですか?
そうですね。やっぱり法話って、笑いや涙に加えて、「気づき」を得られることがとても大事だと思っています。
毎日の暮らしの中での不満、長い人生の中での不安…。
ままならないこの人生を少しでも楽にしてくれるためのヒントをなにかひとつ持ち帰ってもらえれば、その法話はあなたにとっての宝物になるのではないでしょうか。
わたしはよく、H1っておでんのようだなって思っています。そうです、冬に美味しくいただく、あのおでんです。
おでんって、大根、ちくわ、たまご、タコと、それぞれの素材の味を邪魔することなく、個別の具材のおいしさがあって、だしが調和していますよね。
しかも、大根の中にはタコのだしが染み込んでいるし、たまごの中にもちくわのだしが染み込んでいたりと。それでいて鍋全体は一つの大きな味として調和されている。
H1も、さまざまな宗派、さまざまな僧侶が、それぞれの個性を持ち寄って法話を披露します。それらがまざり合って、重なり合って、ひとつになって、私たちに満足を与えてくれる法話イベントになるのです。
今大会は、なら100年会館に加えて、日本全国のイオンシネマでも同時上映されますので、お近くの会場に足を運んでもらって、仏教の「法味」を、味わい尽くしてもらいたいですね。

2025年大会は、全国15カ所のイオンシネマでライブビューイングを開催。奈良まで足を運べない方も、全国各地でH1の熱を体感できる。
僧侶と聴き手がともに作り上げるライブ空間
『H1法話グランプリ』は、若手僧侶への熱意を感じることのできるライブ空間です。
仮に法話の内容が拙くても、ぎこちなくても、ステージ上のお坊さんたちが、仏法を必死に伝えようとするその熱を感じられる場だと思います。
高校野球だって、試合の勝ち負けよりも、野球に真剣に向きあう球児たちの汗やまなざしに、熱を感じて、感動するものですよね。
若手にとって、法話の舞台はそう多くありません。ましてや大きなホールとなると、緊張で足がすくみます。
それでも、客席の頷きや笑顔に励まされ、言葉が少しずつ研ぎ澄まされていく。H1は、登壇者だけでなく、聴き手の力を合わせて完成させていく共同作業の場です。
だからこそ、あなたも当日は会場に足を運んでいただき、聞き手として、H1というすばらしいステージをともに作り上げてほしいと思います。
そして「もう一度会いたいな」と思えるお坊さんとのご縁をつむいでもらいたいものです。そのご縁が、きっとあなたの日々の暮らしを少しばかり豊かにしてくれるはずです。
12月6日。なら100年会館で、イオンシネマで、あなたとご縁をつなげることを楽しみにしています。
▶H1法話グランプリ公式ウェブサイトはこちら
取材・撮影・文 玉川将人

