コラム

お墓の雑草対策。除草剤、固まる石、コンクリート、石張り施工…それぞれのメリット・デメリット

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「お墓参りの草むしりがとても大変」
「お墓の雑草対策ってどうすればいいの?」

素心にも、そのようなお悩みがよく寄せられます。

こんにちは。仏壇墓石の素心(そしん)高砂店の営業・北島です!

お墓は屋外に建てられていますから、どうしても雑草が繁殖しやすい環境にあります。

頻繁にお墓参りができて、そのつど草抜きをするのが理想ですけど、なかなかそんな時間のゆとりってないですよね。

であれば、可能な限り草が生えない環境に整えてあげることをおススメします。

この記事では、なぜお墓に草が生えてしまうのかという根本的な理由から、代表的な5つの防草対策(除草剤・固まる石・草が生えない土・コンクリート張り・石張り施工)のメリット・デメリットまでを分かりやすく解説します。

どうしてお墓から草が生えるのか

草は、「種」が日光と水分を得て発芽することで生えてきます。どんなに草抜きをしても、土や砂利に潜んでいる種が発芽することで、また雑草が生えてくる、ということです。

「種」と聞くと私たちは、つい人の手によってまかれるものを想像しがちですよね。

でも、種まきをしなくても、鳥や人間が種を運んできたり、土中に眠っている種がそのまま発芽したり、こうして雑草が生えてくるみたいです。

だからこそ、「草が生えない仕組み(防草施工)」を整えることが大切になってくるのです。

雑草対策にはすべて「メリット・デメリット」がある

これからさまざまな雑草対策をご紹介していきますが、はじめにお伝えしておきたい大切なポイントがあります。

それは、「すべての対策にメリットとデメリットがあり、完璧な100点満点の方法は存在しない」ということです。

そもそもこの地球という星にいる限り、土が日光と水に触れれば必ず草が生えてくる……これが自然の、当たり前の姿なんですね。

草が生えないよう対策するというのは、言ってみれば「草にとって不自然な状態をあえて作り出す」ということです。

だからこそ、何かを得れば別の何かを犠牲にするというトレードオフが必ず発生します。メリットがあればデメリットもある、ということです。

コンクリートや石でしっかり固める工法の場合、下からの草はほぼ100%生えてこなくなりますが、その反面、雨水の逃げ場がなくなったり、土を塞ぐことへの心理的な抵抗感や将来の撤去コストといったデメリットが生まれます。

除草剤や砂利、防草シートなどの手軽な対策の場合、手軽でコストを抑えられる反面、数ヶ月から数年経てばどうしてもまた草が生えてきてしまい、メンテナンスを続ける必要があります。

「バッチリ固めて草をシャットアウトする」のか、「自然な状態を残しつつ手軽に抑え込む」のか。

どの方法を選ぶにしても「メリットの裏には必ずデメリットがある」ということを頭に入れていただき、『何を一番優先したいか』に合わせて、納得のいく方法を選んでみてくださいね。

雑草対策5つの方法

それではここから、草が生えないようにするための代表的な雑草対策を、メリットとデメリットとともにご紹介いたしましょう!

1:除草剤

一番手軽で安価に済むのが「除草剤をまく」というものです。

液体タイプと粒剤タイプ

除草剤とひとことに言っても、実は大きく分けて2つのタイプがあるのをご存じですか?

今まさに生えている雑草を退治したいなら「液体タイプ」、これから生えてくる草を予防したいなら「粒剤タイプ」と使い分けるのがコツなんです。

液体タイプは、すでに生えている雑草に対して、ジョウロや噴霧器を使って散布します。直接散布するため、即効性があるのが特徴です。

粒剤タイプは、パラパラと土にまくだけでOKです。土壌が除草剤の成分を吸収し、長期間にわたって雑草を防ぐことが期待できます。

除草剤のメリット

メリットは、なんと言っても「手軽で安い」ことです。

特別な道具やプロの技術もいりませんし、ホームセンターで買ってきてすぐに試せるのも嬉しいポイントです。

除草剤のデメリット

ただ、お手軽な反面、いくつか知っておいていただきたい注意点もあります。

◆定期的な散布が必要

除草剤の効果は一時的なので、年に数回定期的に散布しなければなりません。

◆多少の草抜きが必要なことも

除草剤は、いま生えている雑草を枯らし、これから生えてくる雑草を予防する効果が期待できますが、全く草が生えなくなるわけではありません。人によっては「思ってたほど効果がないな」と感じる方もいるかもしれません。

◆近隣のお墓への配慮

撒いた薬剤が雨などで流れて、お隣の区画に入ってしまうことがあります。特に傾斜のある墓地や、境界がはっきりしていない場所では、近隣のお墓に迷惑がかからないよう細心の注意が必要です。

2:防草シート

自分たちで手軽にDIYをしたいという方におすすめなのが、防草シートです。

「防草シート+玉砂利」が基本

防草シートというのは、土の上に敷き詰めることで日光をしっかり遮断し、雑草が芽を出すのを防ぐ専用のシートで、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。

ただ、シートを敷いたままだとどうしても見た目が素っ気なくなってしまうんですよね。

そのため、シートの上に玉砂利などのきれいな化粧石を敷き詰めるのが一般的です。

これだけで、雑草を防ぐだけでなく、見た目もきれいに整いますよ。

防草シートのメリット

防草シートのメリットは、費用が抑えられ、自分たちだけで作業ができる点です。

◆費用をグッと抑えられる

プロに頼まず材料費(シートや砂利代)だけで済むため、かなりリーズナブルです。

◆自分たちで作業できる

大がかりな工事がいらないので、ご家族で協力しながらDIY感覚で作業ができます。

防草シートのデメリット

手軽で便利な防草シートですが、実際に作業を始める前に知っておいていただきたいポイントがいくつかあります。

◆耐用年数は品物によってさまざま

ホームセンターで売られているものも、安いものから高価なものまで様々です。耐用年数は3年〜15年程度とかなり幅があるので、選ぶ際には注意が必要です。

◆意外と施工が大変

防草シートって、「シートを敷いてピンで留めるだけでしょ?」と思われがちですが、墓地によってはそう簡単ではないことも少なくありません。

すでに生えている雑草をしっかり抜くのはもちろん、シートの上に敷く玉砂利の厚みの分だけ、あらかじめ土や古い砂利を掘り出して減らしておく作業が必要になります。

◆敷き方が甘いとスキマから雑草が生えてくる

シートの継ぎ目や端っこ、墓石との境界線に少しでも隙間があると、そこからしぶとく草が生えてしまいます。

◆経年劣化で破れることがある

耐用年数を超えるとシートが破れたり、上に乗せた砂利の隙間に土が溜まってそこから草が生えてしまうこともあります。

3:固まる土

「自然な見た目を保ちつつ、雑草もしっかり防ぎたい」という方によく選ばれているのが、固まる石(固まる土・砂)を使う方法です。

固まる土(防草土)とは?

見た目は普通の砂利や土のようですが、水と反応してカチカチに固まる特殊な素材です。

お墓の敷地に敷き詰めて水をかけるだけで、土の表面を覆って日光を遮り、雑草が芽を出すのを防いでくれます。

固まる土のメリット

固まる土には、次のようなメリットがあります。

◆表面がカチカチに固まるので、雑草が生えにくい

固まる土は、表面がコンクリートのように固まる性質を持っているため、雑草が生えてくる余地がありません。

◆見た目が自然でお墓になじむ仕上がり

土色や砂利風のナチュラルな質感なので、お墓の雰囲気を壊さずに綺麗に整えられます。

◆表面は硬化しても、透水性はある

土そのものがカチカチに固まってしまいますが、水を通す性質は持っているので、水たまりがうまれにくいです。

固まる土のデメリット

固まる土にもいくつかのデメリットがあります。

◆経年劣化によるひび割れや崩れ

雨風や日差し、人が歩くことによる摩擦で少しずつ表面が削れたり、ひび割れたりします。そこから雑草が生えてくるため、数年〜10年程度で補修が必要になります。

◆水はけに限りがあり、コケやカビの可能性がある

透水性があるとはいえ、土そのものを固めているので、通常の土よりは水はけに限りがあるのは否めません。日当たりが悪い場所や湿気が多い場所に施工すると、表面に苔やカビ、藻が発生して黒ずみや緑色に変色することもあります。

◆草が生えてくることもある

固まる土を敷いても、なお草が生えてくることもあります。

経年劣化でできた小さなひび割れやわずかな隙間があると、そこから雑草が生えてきます。

また、地面の下に強力な草木(竹、笹など地下茎で横に広がる強力な雑草)がある場合、施工前に根まで完全に駆除しておかないと、固まった表面を下から突き破って出てくることがあります。

4:コンクリート張り

「この先ずっと草むしりの苦労から解放されたい!」という場合、プロに依頼して施工する代表的な工法がコンクリート張りです。

コンクリート張りとは

墓域内の土を掘り下げ、コンクリートをしっかりと流し込んで土を完全にブロックします。その上に玉砂利を敷いてきれいに仕上げるのが一般的です。

雨水の排水対策として、数カ所ほどあえて固めずに水抜き口を作っておくのが一般的な施工方法です。

コンクリート張りのメリット

コンクリート張りは、これまで見てきたものとは桁違いに防草効果があります。

◆圧倒的な防草効果と耐久性

土を頑丈なコンクリートで覆ってしまうため、下から雑草が生えてくることはほぼありません。数十年単位で長持ちします。

◆お手入れが一段とラクに

土がないため、砂利の間の落ち葉などを取り除くだけで簡単にお手入れが終わります。

◆費用はそこまで高くない

「プロに頼むとすごく高いのでは…」と心配されるかもしれませんが、法外に高くなるわけではありません。墓地の面積や現場の状況にもよりますが、一般的な広さのお墓なら数万円程度から施工が可能です。

コンクリート張りのデメリット

非常に優秀な工法ですが、コンクリートならではの難しさや注意点もあります。

◆墓地を固めてしまうことの抵抗感

昔ながらの考え方として、「ご先祖さまが眠るお墓の土を完全にコンクリートで塞いでしまって良いのだろうか…」と抵抗を感じる方もいらっしゃいます。

◆DIYに比べるとやはり工事費用がかかる

工事費用がそこまで高くないとは言ったものの、やはりプロの職人が手を動かすので、DIYよりは高いコストがかかります。

◆雨水の処理(排水バランス)がむずかしい

排水用の穴やパイプだけでは大雨の時に水を受け止めきれず、敷地の外へあふれ出た雨水が一緒に玉砂利を流してしまうことがあります。

かといって排水用の穴を増やしすぎると、今度はそこから草が生えて防草の意味が薄れてしまうため、固める箇所と残す箇所のバランス調整がプロでもむずかしいポイントです。

◆将来の撤去費用が高くなる

万が一、将来お墓じまいや改葬をする際、コンクリートを解体・処分するための費用が余分にかかることがあります。

コンクリートで固めた上から五色石を敷き詰めている様子

5:石張り(石貼り)施工

「見た目の高級感も大切にしたい」「一生モノの美しいお墓にしたい」という方におすすめなのが、敷地全面に石を敷き詰める石張り(石貼り)施工です。

石張り施工は「見た目」と「防草」を両立!

お墓の敷地全面に、御影石などの板石を隙間なく貼りつめる施工方法です。見た目にも美しく、かつ高級感がただよい、最も本格的で美しい防草対策です。

石張り施工のメリット

石張り施工のメリットは、「見た目の美しさ」と「雑草対策」の両方で効果を発揮する点です。

◆最高の耐久性と完全な防草

墓域の中をすき間なく御影石で覆うため、雑草は一切生えてきません。半永久的に美しい状態を維持できます。

◆見た目の美しさと高級感

お墓全体がパッと明るくなり、清潔感と高級感のある素晴らしい仕上がりになります。

◆お掃除がとにかく簡単!

御影石の表面がツルツルになるまで磨きあげるので、落ち葉や泥汚れもほうきで掃き、雑巾やスポンジで磨くことで簡単にきれいになります。草むしりの手間は完全にゼロになります。

石張り施工のデメリット

◆費用が最も高額

御影石の費用に加えて、専門の職人による施工費用がかかるため、これまでご紹介した5つの方法の中で最も費用がかかります。

◆雨の日に滑りやすくなることがある

石の表面をピカピカに磨き上げる「本磨き加工」だと、濡れた時に滑って転倒する危険があります。表面の一部を「叩き仕上げ」や「バーナー仕上げ」などでざらつかせて、滑り止め加工を施すこともできます。

◆墓地を固めてしまうことの抵抗感

コンクリート張りの時にお伝えしたように、石張り施工も墓域内の土壌をすべてふさいでしまいます。昔ながらの考えを大切に想う方にとっては違和感を覚えるかも知れません。

お墓の雑草対策よくある質問 Q&A

それでは最後に、お墓の雑草対策でよくいただくご質問にお答えいたしますね!

Q:お墓の防草工事の費用はどれくらいかかりますか?

墓地の広さや施工方法によって大きく変わります。ご自身でされる場合は材料費のみですが、石材店に依頼する場合は、以下の費用を目安にしてみてください。

◆防草シート+玉砂利 3万円~
◆コンクリート張り: 5万円~
◆石張り施工: 10万円〜

※現場の状況(墓域の面積、雑草の量、階段や傾斜など)によっても変動します。

Q:砂利を敷くと草は生えてこないですか?

残念ながら、砂利を敷くだけでは雑草対策にはなりません。

土よりは砂利の方が草が生えにくいものの、砂利の下に土があったら、結局これが雑草の原因になってしまうのです。

Q :工事の際はお坊さんの「お性根抜き」は必要ですか?

基本的には不要です。ただし、作業のために石塔そのものを動かす場合は必要となることもあります。

おわりに

お墓の雑草対策には、手軽なDIYから本格的な石張り工事までさまざまな施工方法があります。

大切なのは、「いくら費用をかけられるか」「どれくらい手をかけられるか」そして「ご家族がどのようなお墓のあり方を望んでいるか」を考慮して選ぶことです。

どれを選んでもメリットとデメリットが存在しますので、ぜひご家族でしっかり話し合ってみてくださいね。

「わが家のお墓にはどの方法が合っているんだろう?」
「一度実際の施工費用を見積もってほしい」

といったご相談がございましたら、どうぞお気軽に素心加古川店・高砂店・姫路店にご相談下さい。

素心高砂店の北島が解説いたしました。ありがとうございます!

 
出演:北島崇史(素心高砂店)
執筆:玉川将人(素心メディア事業部)