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面倒な葬儀後手続きを一括サポート!加古川市役所「ご遺族サポートコーナー」の取り組み

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加古川市の「ご遺族サポートコーナー」
令和3年3月に開設した
葬儀後の遺族の負担を軽減してくれる
市民に寄り添ったサービスです。

多死社会や少子高齢化社会で
死後手続きに対しての
市による手厚いケアは
地元住民としてもとっても心強い。

職員の方に詳しく
お話を伺ってきました。

葬儀後の手続きは、とっても面倒で大変

お葬式の喪主を務めた人であれば誰もが経験する、面倒な葬儀後の手続き。

世帯主の変更から印鑑登録証の返還、保険、年金、介護福祉サービスなど、同じ市役所の中なのに、それぞれの窓口で個別に手続きしなければなりません。

「面倒な手続きが億劫で、市役所に行く気になれない」
「死亡届を出すだけで、すべての手続きが完了すればいいのに」
「ほかにも相続や仏事でしなければならないことがあって大変」

こうした声に応えるべく、加古川市は令和3年3月1日より、市役所新館1階の市民課に「ご遺族サポートコーナー」を設置。市役所で必要な手続きを1つの窓口で一括対応してくれます。

ただでさえ葬儀後で心身ともに疲れているとき、あちこちの窓口を巡り、たくさんの書類の準備を言い渡される。喪主や遺族に大きな負担としてのしかかりますが、これらを軽減しようとしてくれる加古川市の取り組みは、私たち市民にとってはとてもありがたいものです。

ご遺族サポートコーナーがある市民課は市役所新館1階にあります。

ご遺族サポートコーナーがしてくれること

具体的に、ご遺族サポートコーナーでは何をしてくれるのでしょうか。

死後手続きの内容は遺族によって異なります。ご遺族サポートコーナーでは、それぞれの家でどんな手続きをしなければならないかを職員と一緒に確認し、職員のアドバイスを受けながら書類に必要事項を記入していきます。できあがった書類は職員が関係各所に提出してくれるので、遺族が各課を回る手間が省けます。

遺族の負担が軽減されるだけでなく、手続き漏れもなくなります。おかげで余計な手間が減り、遺族へのさまざまな給付金のもらい損ねの防止にもつながるのです。

面倒な手続きを一元化してくれて、余計な手間もかけず、申請漏れの心配のないご遺族サポートコーナー。まさに市民に寄り添った行政サービスだといえるでしょう。

ご遺族サポートコーナー 利用方法

それでは、ご遺族サポートコーナーの利用方法について詳しく紹介していきましょう。今回取材に応じて下さったのは、加古川市役所市民課の岩本さんと吉田さん。実際に市民の方がどのような流れでサービスを受けられるのか、詳しく教えていただきました。

取材は、実際に面談で使用する専用ブースで行われました。

まずは電話で予約申込

ご遺族サポートコーナーは原則予約制です。まずは電話で予約しましょう。(加古川市役所市民課:079-427-3166)

電話ではただ日時を決めるだけでなく、1件1件それぞれの状況を確認。「ご遺族サポートガイド」に沿って、当日持参すべき書類を教えてもらえます。

なお、来庁の3日前までに事前予約してほしいとのこと。受付時間は平日の午前9時から午後5時。ただし、午後0時から午後1時の間は除き、コーナー利用の最終受付は午後4時なので注意しましょう。

場所は市役所新館1階 市民課

受付場所は加古川市役所新館1階の市民課前です。専用ブースが設けてありますので、職員に声をかけて、予約をしている旨を伝えましょう。

 

ブースは2席。パーテーションで仕切られています。

当日の所要時間は1時間足らず

電話予約時に指示されたものを持参します。当日は各申請書に共通するシートに必要事項を記入していくだけ。所要時間は1時間程度。ほぼすべての手続きが1回の来庁で完了させられるとのことです。あちこちの窓口に出向くことを考えると、本当に画期的なサービスです。

サービスを受ける上での注意点

もちろん、すべての手続きがスムーズに1時間足らずで終わるとは限りません。いくつか注意点を挙げていただきました。

『ご遺族サポートガイド』内の「手続きチェックシート」

持ち物の点検を!

「利用者の方に気を付けてほしいことはありますか?」と訊ねると、「来庁時の持ち物の確認でしょうか」と吉田さん。「電話予約の時に『これとこれを持ってきて下さいね』とお願いするので、それらを持参してもらえれば大丈夫です」と続けます。本人確認書類を忘れてしまうと、書類をいったん持ち帰り、郵送で申請しなければならないこともあるので注意が必要です。

喪主や相続人代表者以外が来庁する場合

「喪主や相続人代表者以外の方が来庁された場合も、書類を一度持ち帰りいただき、ご本人が署名の上、郵送していただく場合があります」と吉田さん。申請者本人が高齢や病気などの場合はやむをえないものの、可能な限り申請者本人が来庁することで手続きがスムーズに運びます。

【注意!】コーナーで対応できない項目

役所関係の手続きを一括対応してくれるとはいえ、ご遺族サポートコーナーでできないこともあります。その代表が故人の準確定申告や、土地・家屋の相続登記、そして年金の手続きです。それぞれ税務署、法務局、年金事務所に出向かなければならないので、この点だけは事前に頭に入れておきましょう。

全国に普及する死亡・相続ワンストップサービス

市による遺族サポートは、市民の要望に応えた歓迎すべき行政サービスです。こうした窓口を設置する自治体は、令和に入ってから急増。兵庫県内でも、西脇市、三田市、神戸市、赤穂市、宝塚市、丹波篠山市などが同様の窓口を設置しています。

こうした動きの背景には、内閣官房IT総合戦略室が推進する「死亡・相続ワンストップサービス」方策があります。デジタル・トランスフォーメーション(DX:データやデジタル技術の活用)を導入した死亡後の諸手続きの効率化を目指す取り組みです。

DXの普及はまだまだ少ないものの、手続き窓口の一元化は多くの自治体が前向きで、住民たちの反応も良好。全国の自治体がその第一歩を踏み出した状態にあるといえるでしょう。

2020年度。窓口を設置する自治体は169です。全国1718ある自治体のわずか1割程度とはいえ、前年度が16しかなかったことを思えば、この動きはさらにさらに加速していくものと思われます。

加古川市のような窓口を設置する自治体は全国でも急増している。(内閣官房IT総合戦略室「第14回デジタル・ガバメント分科会」資料より)

加古川市、さらには近隣の神戸市、西脇市、赤穂市などのように、播州地域の各自治体にもいちはやく普及していくことを願います。

市民の反応は上々!「非常にありがたい」の声も

実際に利用した市民からはどのような声が届いているのでしょうか。「加古川市では市役所全体で業務窓口の改善に取り組んでいます。ご遺族サポートコーナーもその一環。市民の皆様には大変喜ばれ、『非常にありがたい』というお言葉もいただいてます」と、岩本さんはその手ごたえを語ります。

「話が手続きだけにとどまらず、いろんな話をして下さる方もいます。専任の担当者が本当にすてきな人柄なので、きっと利用者の方も色々話したくなってしまうのでしょう」と岩本さん。サービスを開始して4ヶ月が過ぎましたが、市民の反応は上々のようです。

当初は1日10枠を想定していましたが、電話での相談も多く、1日6枠程度が限界だそうで、「より多くの方々に利用していただけるようにコーナーの運用を考えていきたい」と今後の意気込みを話して下さいました。

加古川市では、「ご遺族サポートガイド」とともに、市役所以外で必要な手続きのパンフレット(左)も配布している。

役所では解決できない葬儀後にしなければならないこと

いかがでしたでしょうか。加古川市の「ご遺族サポートコーナー」のような取り組みは全国の自治体に広がりを見せています。

ただし、どんなに自治体が力を入れて喪主や遺族に寄り添おうとしても、役所ではできないことがたくさんあります。

そのうちのひとつが、仏事や供養です。ライフスタイルが多様化する中で、亡くなった方をどのように供養するべきか迷われている人が実にたくさんいます。

「仏壇はどのようなものにしないといけないの?」
「手元供養って何?」
「お墓を建ててもあとをみる人がいない」
「故郷のお墓を墓じまいしていいのかな」
「お寺との付き合い方に悩んでいる」

…などなど、こうしたお悩みごとを抱えている方、どうぞ素心にご相談ください。加古川、姫路、高砂の素心各店は、仏事相談窓口として、あなたのお悩みをお伺いいたします。


参考サイト・参考文献

▶加古川市「ご遺族サポートコーナー
▶加古川市「ご遺族サポートガイド」(PDF版)
▶政府CIOポータル「死亡・相続ワンストップサービスの推進
▶古田雄介「第60回‐令和に入って「おくやみコーナー」を設置する市役所が急増したワケ」(シニアガイド:古田雄介のネットと人生)


構成・撮影・文 玉川将人