こころね

元気なうちにお墓を建てるのは、亡き両親や家族の安心のために【お客様インタビュー・城谷正代さま】

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素心がお墓のお手伝いをさせていただいた
お客様へのインタビュー。
加古川市の城谷正代さんは、
亡きご両親への複雑な想いを胸に抱きつつも、
「両親には感謝しかない」と言い切ります。
そして、ご主人や子や孫への祈りと願い。
お墓に込める想いを語っていただきました。

地域を明るく照らす城谷さんの笑顔

加古川市尾上では知らない人はいない城谷さん。46年間駄菓子屋を営みながら、地域の子どもからお年寄りにまで元気を与え続けてきました。

4年前に店を畳んでからはアニメにのめりこみ、自宅には自らが筆を執ったジブリ作品やドラえもんのイラストがズラリ。山陽電鉄「浜の宮駅前」の庭園を彩るアニメ「となりのトトロ」の絵や木彫りの人形を手掛けたのも城谷さんです。

地元では知らない人のいない城谷さんのご自宅

地元の小学生からのお礼や取材を受けた新聞記事の切り抜きがたくさん

地域の小学生に向けて「おはようございます」の看板を掲げ、自宅からは元気が出る童謡唱歌を流す。そんな元気いっぱいの城谷さん。その源はどこにあるのでしょうか?

「未来を担う子どもたちには元気であってほしい。ひとり暮らしのお年寄りにも笑って喜んでほしい。そのために絵を描いて、人形を作り、童謡唱歌をお店から流しているんですよ」

そう語りながら、一枚の紙を差し出してくれた城谷さん。『こころね』の取材にそなえて、日々大切にされている想いをことばに綴ってくれていたのです。

取材のために綴ってくれた城谷さんの想い。周囲への感謝の想いがあふれている。

城谷さんを支える「大好きな両親」への複雑な想い

明るい笑顔で地域を照らす城谷さんにも、実は辛い過去があった。「大好きな両親」への複雑な想いを話して下さいました。

「両親はめっちゃいい人でした。ほいでもね、お父さんがモテたんです。いつも他の女性と仲良くしてて、母親をめっちゃ泣かせた。どうしても男として持って生まれたものがあるんやろうけど、そのせいで母親は涙涙の人生でしたわ」

だからこそ、自分自身が一生懸命生きるのだと城谷さん。「私が手を合わせて、一生懸命生きて、他人様によい行いをすることで、母親が笑ってくれるんちゃうかと、思うんですわ」

気になったのは、城谷さん自身が綴った「私の大好きな両親」ということば。「そんなお父様でも大好きだと言えるのですか?」と訊ねると、「もっちろん、大好きですよ。若いときには家庭環境で辛い思いもしたんですが、それでも両親には感謝しかない。両親がいるからいまの私がおるんやから」と、力強く語ります。

「ここでは言えないような、いろんなことがありました。でもね、最後は救急車の中で、私の手をつないで、『まさよ、ありがとう』って言って亡くなっていった。私の大切な父親です」

大きい手ぶりと明るい声で一生懸命に大切な想いを話す城谷さん。

家族が帰る場所があることの安心感

だからこそ、城谷さんのお墓への想いは特別なのかもしれません。身内に不幸があったわけではないのにお墓を建てることを決めたのには、両親への感謝に加えて、子や孫への想いもありました。

「親の都合で子どもたちを振り回すのはあまりにもかわいそう。自分のことは自分でするんです」と、次の代に迷惑をかけたくないと言います。

城谷さんの目に留まった素心加古川店のお地蔵様。ご縁をつなぐきっかけとなった。

生前墓を建てると決めたのは城谷さんご自身。ご主人はいやな顔ひとつせずに、城谷さんの想いを受け止めてくれたという。

「お父さん(ご主人)は、私のしたいことに対してひとつも反対をしない人です。私のことを信じてくれている。本当に感謝です」

すでにお孫さんもご結婚。新しく建ったお墓が4世代に渡って受け継がれます。

「私たち夫婦がお墓を建てておくことで、息子、孫、ひ孫の代までお墓の中に入れる。もちろん将来的にあの子らがどうなるかは分からんけれど、家族が帰る場所があるというだけで、安心感が違います」と、お墓を建ててよかった点を話してくれました。

誰とでも仲良くなれる城谷さんは、担当社員の廣野とも意気投合。お墓工事の時は毎朝現場に足を運びました。

「尾上は浜手の村。地盤が砂岩でやわらかい。廣野さんは数日かけてしっかり基礎工事をしてくれました。おかげで職人さんともお友達になりましたわ」

家族はみんな元気。納骨するお骨がないため、お坊さんによるお性根入れはまだですが、それでもお墓掃除と盆彼岸のお参りは欠かしません。

「ここは、城谷家のお墓。私の両親がいるわけではない。でも私が明るく元気にお墓参りすることで、両親だけでなく、子や孫も安心してくれる。その姿を見せ続けていたいですね」と城谷さん。

亡き両親のため、子どもや孫の未来のため、利他に明るく生きる城谷さんの合掌と笑顔が、お墓をまばゆく照らします。


構成・文 玉川将人

撮影 西内一志